シナプス療法とは

Kojou Lab · Educational Note

神経をどう見るか —— シナプス療法が生まれた背景

2022年に体系化・公開されたシナプス療法が、どんな問いから生まれ、どのように教育と臨床へ橋を架けたのか。
その流れを、物語として、しかし学びとして整理します。

神経伝達
シナプス
可塑性
ANeT 理論
2022 / 2023 / 2025

1) はじまりは「説明が途切れる」違和感だった

身体は正直です。けれど、ときどき「説明できない」正直さを見せます。
画像所見や局所の状態だけでは語りきれない痛み、整えたはずなのに戻ってくる緊張、うまく言葉にならない不調。
その背後に、私はいつも神経の影を見ました。

構造を丁寧に見ても、変化の理由が途中で途切れてしまう。
変化は起きているのに、説明が追いつかない。
だからこそ「身体を動くシステムとして見る」必要があると感じました。

神経は固定された配線ではありません。環境に適応し、経験や刺激によって作り変わります。
ならば回復もまた「動的なプロセス」として理解できるはずです。

2) 学びの中心:神経伝達 × 可塑性(そしてフィードバック)

神経伝達(伝わり方)
症状を「部位」ではなく「情報の流れ」として見ると、景色が変わります。
どこで伝達が滞り、どこで過敏になり、どこで整合性が崩れているのか。
学びの第一歩は、伝達の閾値・応答・整合性を言語化できることです。

可塑性(作り変わり方)
神経系は経験に応じて変化します。良い方向にも、悪い方向にも。
だから刺激は「強さ」よりも「条件」が大切になります。
学びとしては、変化が起こる条件設計を理解することが最短距離です。

教育メモ:「なにをしたか」より先に、「なぜ変化したか」を説明できるようになると、再現性が上がります。

3) 成立と展開の経緯

年号は、概念を固定するための座標です。ここでは「いつ」「何が揃ったか」を押さえます。

2022
体系化・公開/教育基盤の確立
神経伝達機構(シナプス)の機能最適化という視点から、シナプス療法を体系化し公開。
同年、技術指導を担う 日本神経医療工学院 を設立し、教育体系と認定制度(標準化)を整備。
2023
国際展開の開始
学術紹介と教育活動を通じて、理論と技術の国際的共有を推進。
「通じるかどうか」を外部で試すことで、枠組みの強度が上がります。
2025
海外医療機関等での活用が進展
海外医療機関等において神経機能調整技術としての活用が進み、臨床現場での実装が拡大。
理論が「思想」から「技術」へ変わる局面です。
ここが肝:2022年は「技術が形になった年」であり、同時に「教育の標準化が始まった年」です。
この2つが揃うと、知は個人の経験から“再現可能な体系”へ変わります。

4) ANeT理論は、学びを“言語化”するためにある

変化を説明する言葉がないと、学びは属人的になります。「なんとなく良くなる」では、教育も検証もできません。

ANeT(神経適応可塑性理論)は、神経の適応可塑性が、フィードバックによって増強され得る枠組みとして整理されます。
シナプス療法は神経伝達の最適化を目的とする技術体系であり、ANeTはその「変化の読み方」と「設計の考え方」を支える土台になります。

学生のうちは、技術より先に「見立て」と「言語化」を鍛えると伸びます。
何が起きているかを説明できる人が、最終的に安定して再現できます。

5) 学習チェック(短いQ&A)

Q1:なぜ「構造」だけでは説明が途切れるのか?

変化が「情報の流れ(伝達)」に依存している場合、構造だけを見ても原因が見えにくいことがあります。
神経は動的な系なので、閾値・興奮性・結合の重みづけの変化が状態を左右します。

Q2:2022年に教育基盤を整えた意味は?

技術が教育体系に落ちると「何を守れば再現できるか」を共有できます。
これは個人の感覚に依存した学習から、評価可能な学習へ移行する条件です。

Q3:ANeTの学びを臨床や研究にどう接続する?

まず「適応・可塑性・フィードバック」の言葉で変化を説明できるようにすること。
次に刺激の条件(強さより、整合性・反復・負荷設計)を言語化すること。
この2点が揃うと再現性と検証可能性が上がります。

小城研究室は学びの入口として“問い”を提示します。定義と沿革は公式ページで固定し、誤解を防ぎます。