いじめ防止の目的で
あだ名で呼び合うことを禁止する
小学校が増えてきています。
あだ名禁止にして
さん付け呼び合うようにした
茨城県の水戸英宏小学校の
教頭先生はこのように述べています。
あだ名で呼び合うことによって
差別化が生まれ、
スクールカーストに繋がり、
イジメが発生しやすい状況を
作ってしまうので、
あだ名ではなく、
さん付けで呼び合うことにすれば
子ども同士の関係が対等になり、
お互いを尊重し合う関係になる
開校から大きなイジメが発生したことは1度もありません
と自信満々に語られています。
さて、
そんなあだ名禁止について
お話したいと思います。
あだ名というのは
本人が望んだものがつくわけではなく、
周りから適当につけられるため、
嫌な名前がつくことがあるでしょう。
小学校くらいでありがちなのが、
男子生徒がウンコを漏らしたとかがあれば
ウンコマンみたいなニックネームがついて
みんなにいじられまくって
嫌な思いをする
それがイジメに発展する
というのはあると思います。
ただこれはあだ名っていうよりも
ただの悪口、誹謗中傷なので
こういうただの悪口もあだ名と
分類するのはどうなのかなと思います。
こういうのは禁止というよりも
そもそも言っちゃダメでしょというのを
教員や親がしっかり教えていかないと
ダメなわけです。
本人は面白半分のつもりでも
相手をものすごく傷つけている
というのをきちんと教えないといけないのが
とりあえずあだ名は全部禁止
ってしてしまうと
なんでダメなのかが
よくわからないまま、
小学校を卒業して
中学以降できっとやらかすことでしょう。
良いあだ名と
悪いあだ名を分類するのが
難しいから全部禁止にして
さん付けにしようというのは
理にかなっているように
思える面もありますが、
こういうことをやると
いじめが陰湿化するわけです。
今のイジメは面と向かって
悪口を言ったり、罵倒するだけではなく、
インターネット上であることないこと言われたり
LINEグループや外部から見れない限定の場所で
いじめられたりするわけです。
学校の中で本人の前では
良い子ちゃんぶって
裏でいじめるということが
さらに起きやすくなるではないでしょうか
僕は小学校の教員をやったことがないので
実際にどうかはわかりませんが、
少なくとも大学では、
そういうタイプのイジメが
とても多く発生しています。
大学生になるとみんな大人なので
教員の前では良識ある態度をして
ツイッターやLINEでいじめるなんていうのは
よくあることです。
本人に直接は言わなくても
裏で言われている
ニックネーム（悪口）が
別途存在していて
他人が見てもよくわからない
記号化された言葉になっているので
ぱっと見ると、悪口にみえない
でも実は仲間内だけでわかる
悪口になっているという
すごくたちのわるいイジメになっています。
僕の知る限り、
小学校でもレベルの差はあれど
似たことは起きていると認識しています。
単純に呼び名を固定して
小学校の間は平和に暮らせたとしても
中学校に入学した後は
どうなるのでしょうか？
あだ名禁止の学校があれば
あだ名推奨の学校もあります。
あだ名というのは
悪口をいうときにつけるものではなく
親しみを込めてつけることがあります。
あとは名前が長いから省略したりもしますね。
マイナスの面ばかりではなく
プラスに働く面もあるので、
その違いがわからないまま
中学校に進学したときに
問題が起きないでしょうか？
たとえば、
あだ名をつけるのが当たり前の
環境で育った子たちからすれば
誰に対してもさんづけで呼ぶ
同級生を見たときに
すごく他人行儀でうざいって
感じるケースが出てくるでしょう。
小学校にいる間は
守れているのでよいかもしれませんが、
別の社会やコミュニティと関わったときに
あだ名に対するさじ加減や
耐性がついていないので、
いじめとは違う悩みを
抱えることにつながると思います。
あだ名禁止というのは
あまりに極端すぎて
教育機会をただ減らしているだけに
思えてしまいます。
いじめの原因って
いろいろありますが、
家庭環境の違い、収入格差
容姿の優劣、運動神経の差から感じる
ねたみ、ひがみ、やっかみ
そういった負の感情から
いじめに発展することがあるので、
あだ名1つで解決するほど
簡単な話ではないでしょう。
あだ名を禁止して
得られるメリットと
のちのちの社会生活を考えると
ただ単に禁止にするのではなく、
悪口をいったらきちんと叱り
なぜダメなのかをきちんと
説明できる大人が必要なのでは
ないでしょうか
なにかあれば
蓋をするというのは
一番ラクですが、
事態をより深刻にしていくと
僕は思います。
失敗しないと学べないこともあるので
禁止にするのは個人的には反対ですね。
