褒めて育てると嘘の報告をする人が増える

人を育てるときに

褒めて育てるのが良いというのが

一般的になりつつあり、

叱ったり、厳しく接するのは

古い教育方法だと思われつつあります。

 

褒めちぎる教育方法を取り入れた

三重県の自動車教習所が

大繁盛しているのをみても

やっぱり叱って伸ばすよりも

褒めて伸ばしたほうがいいんだと

感じている人が増えてきています。

 

お金払ってサービスを受ける

というスタイルであれば、

叱るよりは褒めるほうが

集客できると思います。

 

集客できて売上が上がるから

それがベストの方法なんだ

ってなってしまうと

それはそれで問題かなと思います。

 

今回は褒めて伸ばした結果

どういう人に育つのか

ということを調査した

研究内容の一部をご紹介します。

 

褒めて伸ばすとその後どうなるのか?

一般的に頑張ったことや

結果を出したことに対して

褒めてあげると

自信がついていき、

やる気が上がると言われています。

 

努力したことを認めてあげる

というのは非常に重要なことで、

良いことだとされています。

 

その瞬間だけを見れば、

たしかに褒めるということが

とっても大事なことように見えるのですが、

褒めすぎた結果、

その後、嘘をつきやすくなる

という研究報告があります。

 

 

コロンビア大学で行われた実験で、

人種や社会的地位が異なる人を集め

テストを受けてもらいました。

 

そして、

テストの結果が出た後に

  • 結果を褒めるグループ
  • 頑張ったことを褒めるグループ
  • 何も言わないグループ

と3パターンの対応をしてから

難易度が高いテストを

もう一度受けてもらいました。

 

2回目のテストを返却した後に

テストの結果はどうだった?

って聞いてみると・・・

最初のテストのときに、

「頭がいいね!」

「とっても優秀だね!」

って褒められたグループの

40%の人たちが

実際のテストの結果よりも

良い点数を申告してきました。

 

自分は優秀だって言われていたため

悪い結果になってしまったことを

素直に言えないという人たちが

出てきてしまったわけです。

 

これは進学塾や進学校でも

よくある話ですよね。

日頃、頭が良い、勉強ができるって

言われている子供が

たまたま平均点以下だったり

思ったほどの点数じゃないと

嘘の報告をしたり、

わからないことがあっても

わからないって言わなくなったりします。

 

そんな見栄を張り続けた結果、

徐々についていけなくなる人を

僕自身、毎年よく見かけます。

 

 

褒めて伸ばすと難しい課題を避ける傾向

先程の実験結果から

もう1つ面白いことがわかりました。

 

褒めちぎったグループの65%の人は

難しい課題や問題を避けて

無難なレベルのものを選んだそうです。

 

頑張ったことを褒めたというグループも

45%の人が難しい課題は避けたそうです。

 

これといってなにも

言われなかったグループは

10%の人が難しい課題を避けたようです。

 

 

褒めるというのも

なかなか諸刃の剣で

褒められて嬉しいというのと同時に

期待されているというのが

重圧になることもあります。

 

みんなに期待されているというのは

前向きなときは追い風になりますが、

ちょっと気持ちが落ちたりすると

かなりプレッシャーがかかりますからね。

ほんと良し悪しだと思います。

 

 

褒められすぎてしまうと

自分はできる人っていうイメージを

崩したくないということに

執着してしまい

結果的に嘘をつかなければならないことが

とても増えてきます。

 

これは勉強だけではなく、

お金持ちってイメージを一度つくと

そのイメージを崩したくなくて

生活レベルが落とせず借金生活になる

なんて人も少ないですよね。

 

教育上、褒めるというのは

とても大事なことですが、

褒められすぎるのも

意外とストレスになるものです。

 

叱りすぎて自信をなくさせるのは

あまり良くないですが、

ときには活を入れないといけないときが

やっぱりあるものです。

バランス良く褒めて、叱りたいものですね。