仲間を傷つけてまで餌を欲しがらないネズミの利他的行動から学ぶこと

オランダの神経科学研究所が

ネズミでも利他的行動をとることを

少し変わった方法で実証しました。

 

その実験結果が

人間も学ぶべきところがあるのと

逆に人間臭い部分が出ているのが

おもしろかったので

ご紹介いたします。

Just a moment...

 

 

実験方法

2つのカゴを隣接させて

カゴの中にレバーを

2つ用意しました。

 

どちらか片方のレバーを押すと

おやつを得ることができる

仕掛けになっていて

特定のレバーを押せば

おやつがもらえるということを

ネズミに学習させました。

 

しっかりと

おやつが貰える仕組みを

理解したタイミングで

おやつが出るレバーを押すと

隣のカゴの床に電気が流れるように

しかけを変えました。

 

このようなしかけに

変わっていることを

ネズミは知らないので、

いつものようにおやつが欲しくて

レバーを押します。

 

おやつが出てきたと同時に

隣の箱の中にいるネズミが

電気ショックを受けて

しびれているのを見ると

おやつがでるレバーを

押すのをやめました。

 

個体差はかなりありまして

隣のネズミがしびれているのを見て

自分のことのように恐怖するネズミもいれば

おやつが出るレバーは危ないから

もう1つのレバーを押そうと

学習し直すネズミがいたり、

まったく無反応で

ポーカーフェイスのまま

レバーを押すのをやめるネズミがいたようです。

 

いろいろな反応差がありますが、

共通しているのは、

隣の箱のネズミが

電気ショックされないように

レバーを押さなくなるんです。

 

自分が電気ショックされるのであれば

怖くて止めるのはわかりますが、

自分以外の個体が傷つくのを見て

それならおやつなんていらない

ってすぐに判断できるのは

とてもすごいことだと思います。

 

現代人ははてして

このネズミのような行動を

すぐにとることができるでしょうか

 

お腹が空いているときに

自分は一切傷つかずに

食べ物が手に入る代わりに

すぐ近くの人がなにかしらの

被害が出るといった

同じような状況のときに

他人を傷つけてまで

食べ物なんていらないって

どれだけの人間ができるでしょうか

 

その対象が家族なら

考える人もいるかもしれませんが、

赤の他人や外国の人が

傷つくことになるとして

それだったらいらない

って思えるのか

 

意外と人間社会の仕組みだと

こういったことがわかりにくく

うまい具合に隠されているので

豊かな暮らしをする裏で

似たようなことが起きています。

 

人間は

このネズミたちのような

利他的な行動をすぐに取れるのか

というのを考えてみると

なかなかポジティブなイメージが

湧きにくいですね。

 

 

さて、

このネズミの実験から

いろいろな気づきを得ることができました。

追加で行った実験内容が

とてもおもしろい結果になっています。

 

 

追加実験

レバーを押したときに出てくる

おやつの量を3倍に増やして

同じ実験をしてみたところ・・・

隣のネズミが電気ショックを受けても

レバーを押し続けるということが

わかりました。

 

少量のおやつなら

利他的行動がとれるが

一定基準を超えた量の

利益がある場合、

自分の利益を優先する

といった利己的行動を

とってしまいました。

 

ネズミは仲間思いで

とても利他的と思いきや

人間と一緒ですね。

 

利益が大きくなると

自分のことが優先で

他者のことはお構いなしのようです。

 

 

さて

今回の実験を通して

人間も学ぶことはたくさんあると思います。

 

 

人間の場合は、

報酬がなくても

このレバーを押したがる人が

一定数いるといった

闇があります。

 

自分はなんにも得られなくても

他人が苦しむなら

喜んでレバーを押す人

 

生存のためにしかたなく

レバーを押すのではなく、

他人が苦しんでいる姿を見るのが

報酬という歪んだ価値観を

持っている人がいて

怖いものですね。

 

知能の高さというのも

考えものですね~