精神疾患や脳機能障害になると心は正常に戻っている

精神の病気は時代によって

考え方が変わってきており、

ほんの十年前までは、

うつ病に対する理解もなく、

気分のもちよう、

気合と根性が足りないからなるんだ

みたいな考え方が一般的でした。

 

そこから、

うつ病は心の病気ではなく、

脳の一部の機能が制限されることで

なってしまうことが発見され

心の病気ではなく、

脳の病気という認識が広がりました。

 

脳の病気なので、

気合と根性ではどうにもできないです。

なにかちょっと気分が落ち込んだ

というのとうつ病は全然違いますからね。

 

 

そして、

最近の研究によって

新たに見えてきたことがあり、

面白い研究発表が報告されました。

 

それは、

精神病にかかったり、

脳の機能が一部制限されている人は、

自分の心に対して素直になっている

という内容でした。

自分の心に対して素直になっている

うつ病やPTSD、適応障害など

いろいろ病気の種類がありますが、

共通しているのは、

ちょっとした言葉に敏感になっています。

 

なんでもないときであれば、

笑って聞き流せることも、

精神系の病気になると、

ものすごく傷ついたり、

悔しかったり、

イライラしたりすることが

増えてきます。

 

そのため、

精神疾患がある方と

お話をするときは

かなり言葉を気をつけないと

いけないと言われています。

 

しかしこれは、

精神病だから凹みやすかったり

キレやすいわけではなく、

元々健康な人であっても、

ただ我慢しているだけのことで、

ちょっとしたことで傷ついているわけです。

 

子供頃ならまだしも

大人になるにつれて

ちょっとしたことで、

感情を表に出すのはみっともない

みたいな教育をされ続けた結果、

本当は心は悲鳴を上げているのに、

我慢するというのがクセになっています。

 

精神病になってみたら、

その理不尽な言葉に対して

妥協するというのがなくなっているだけで

心としてはむしろ健常者よりも

正常な状態になっているのではないか

という報告がされました。

 

 

この話は賛否両論いろいろありましたが、

僕個人としては、

かなり共感できる研究報告です。

 

精神病の人が

年々増えていると言われていますが、

むしろ現代社会を考えたら、

心に無理がかかりすぎているため、

元に戻ろうという力やストッパーが

精神病として表に出てきている

という印象があります。

 

ある脳にハンデがある患者さんが

街なかの交差点の映像を見た時に、

こんな事を言ってました。

 

「みんな同じようなスーツを着て

同じ方向に歩いていき、

赤信号になれば、

ピタッとみんなそこで立ち止まる

異様な光景だよね

ロボットみたいで気持ち悪くない」

 

「僕は脳に障害があるから

そうかんじるかな?

これってふつうのコトなんだよね?

 

と質問をされました。

 

日本の社会としては

よくある光景で普通のことです。

とお答えをしたら

 

「あれが普通なんだね。

なら僕は異常でもいいかな

なんか見てて気持ち悪いもん」

 

といったやり取りがありました。

 

正常と異常の定義って

難しいですよね。

 

ものすごく考えさせられる

研究報告でした。

 

脳や心になにかしらの問題があっても、

実は心だけは、誰よりも正常に機能していた

可能性が示唆されました。

 

価値観や常識は時代によって

変わっていきます。

 

これまでは異常だったものの

これからそれが正常となるものも

あるのでしょうね。

 

100年後の未来の日本人が

2019年を見た時に、

はたして正常な時代だと

判断されるのか

 

仮に今が駄目だとしても

来年良くすればいいだけなので、

ネガティブな状況ではないですね~