平成も後数日で終わる現代でも
いまだにマーガリンはプラスチック
という都市伝説が流行っています
ここでいうプラスチックというのは、
正確な意味でのプラスチックではなく、
一般的にみんなが思っている
プラ容器のようなものという意味で、
使われています。
そんなマーガリンは、
プラスチックなのかどうか?
もしプラスチックだったら危険性は?
今日はそんなお話をしてみたいと思います。
そもそもマーガリンって?
マーガリンというのは、
植物性の油脂や動物性の油脂を原料にして
バターに似せて作った加工食品です。
人によっては、
この説明文だけで、
ネガティブなイメージを持つ人も
いるでしょう。
加工食品!
体に悪い!!
みたいなね
今から70年ほど前は、
バターがすごく高額だったため、
同じようなものがほしいと思い、
人造バターを作りました。
そして、1952年
マーガリンという名前になり
一般家庭に普及されました。
では、
そんなマーガリンが
なぜ、プラスチックとバカにされるように
なったのか?
その歴史を紐解いていきましょう
マーガリンがプラスチックと呼ばれた背景
1998年のアメリカで
「危険な油が病気を起こしている」
という本が発表されました。
こんな感じのものです。
ジョン・フィネガンによると、
水素を添加した脂肪分子を
(マーガリン)
顕微鏡で見てみると・・・
プラスチックにすごく似てる!!
と感じたらしいです。
そして、科学者たちは、
うん、これはまさに
オイルのプラスチック化だね~
と喜んでいたそうです。
マーガリンは、
そのままの状態では、
安定しない植物油脂を
科学的に微調整して
作ったものです。
科学によって作られた!
自然界には存在しない!
といった要素だけが
注目されて、
なんかよくわからないけど、
危ない!!
という感じになったんですね。
顕微鏡で見て、
似ているからプラスチックって・・・?
って思った人もいるでしょう。
不安を煽る情報というのは、
本当かどうかは重要じゃないんですよね
危ないって言ってる人がいるんだから
危ないんだよ!
ってなってしまうようです。
プラスチックだと何が問題なのか?
プラスチック容器を
食べているといえば、
すごく問題が有ると思いますが、
マーガリンがプラスチックだと
何が問題なのかが
わかりにくいですね。
これは、
英語でプラスチックと言う意味が
日本語のプラスチックと
ちょっと意味が違うんです。
日本語でプラスチックというと
プラ容器のイメージでしょう?
英語でプラスチックというと
・化学的に作れたもの
・熱したときに成形しやすいもの
・軽くて強い
という意味があります。
マーガリンの場合は、
上2つの意味ですね。
化学的に作れて、
熱したら溶けますから、
形を変えやすい
うん、何も問題がないですね。
英語の文献を読むと
「Plastic margarine」
プラスチックマーガリンという
言葉が出てきますが、
これを日本語に翻訳すると、
マーガリンはプラスチック素材という意味ではなく
力を加えると形が変えやすい粘土みたいなもの
という意味になります。
こういう翻訳をすると、
今度は、マーガリンは粘土なんだ!
粘土をパンに塗って食べるとか
おかしいんじゃないの!
って騒ぐ人が出そうですね。
でも、粘土みたいに
形を変えやすいという意味ですので、
粘土ではありません。
きちんと説明しないと
揚げ足取りみたいな感じになるので、
ほんと怖いですね。
小城研究室の記事で、
マーガリンは粘土なんだって
ってどこかで転載されたら
ほんと困りますね。
マーガリンはプラスチックだから腐らない
マーガリンは悪くいいたい人は、
プラスチックだから腐らないんだよ
って言ってきます。
食べ物の安全性を説く人たちは
一度、化学を勉強しましょう。
なんとなく、取ってつけたような
理論ばかり並べずに
きちんと基礎からね。
油脂というのは、
不純物が入っていなければ、
天然物でも化学的なものでも
腐りません。
水やタンパク質などが
混ざってしまうと、
腐ってしまうんですね。
マーガリンだから腐らないのではなく
余計なものが入っていないから
腐らないんです。
とはいえ、
食用油というのは、
カビたり、腐ったりしませんが、
空気によって酸化、劣化はします。
腐らないから何してもOKという
わけではないので、
適切に保存したいですね~
余談ですが、
よ~くみたら、
マーガリンってやっぱり
プラでしたね!!
見てください、この写真!!
真ん中にプラのマークが入ってます!!
やっぱマーガリン(容器)は
プラだったんですよ!!
間違いない!!