右脳型、左脳型というのは脳科学では存在しない

私は右脳型で創造性が豊かで

クリエイティブなことに長けてる。

私は左脳型だから論理的な思考ができる

ロジカルな人間というのを

どこかで聞いたことはないですか?

 

インターネットで、

右脳型で調べるだけで、

成功者になりやすいのは

右脳型で、細かいことは考えない

とかそういう話がよく出てきます。

 

さてさて、

そんな右脳型、左脳型というのは、

本当にありえるのか?

今日はそんな話をしてみたいと思います。

 

 

世間で言われる右脳型左脳型とは?

右脳が発達していると

創造性が豊かである

芸術家に多いタイプと言われています。

 

左脳が発達していると

理屈っぽく、

分析や解析に長けている

と言われています。

 

そして、

どういうわけか、

右脳型人間のほうが成功しやすい

という話が世の中に広まっており、

左脳型の人間は理屈が先行するから

悪い方悪い方にものを考えすぎて、

行動ができなくなるとか、

過去の失敗を分析して、

やっぱり無理だぁ~ってなる

みたいなネガティブなものとして

話されることが多いです。

 

友達同士で血液型による

性格診断をしているくらいなら

茶飲み話としてありだと思いますが、

ビジネストレーニングの会社の人たちも

こういったオカルト

当たり前のようにお話しているのを見ると、

ほんとびっくりしてしまいます。

 

脳科学の世界では、

右脳型、左脳型というのは

存在しません。

 

ビジネス的な仕掛けとしては

面白いお話なので、

メンタルトレーニングなどに

導入しやすいのはわかりますが、

嘘を教えて相手をどうこうしようというのは

あまり褒められたものではないと思います。

 

右脳と左脳の機能の違い

右脳型、左脳型というのは

存在しないとしても、

それでも、右脳と左脳では

役割は違ってきます。

 

右脳は、

全体像をぼやぁ~って見る機能で

 

左脳は、

細かいところがどうなっているのかを

チェックする機能があります。

 

難しい言葉で言いますと、

情報の解像度が違う

なんて言い方がをしますが、

イマイチわかりませんね

 

こんな実験をすると、

みなさまが右脳も左脳も

ちゃんと機能していて、

どちらかが優位ではないのが

わかります。

この下の画像を見てください

 

Aというアルファベットが

Hの形として並んでいるように見えますか?

 

もし見えたとしたら、

あなたは右脳と左脳が

きちんと機能しています。

 

てんかんなどの病気になり、

脳と脳をつなぐ神経をカットした

人にはこの画像を見て、

Aがたくさん並んでいて、

全体としては、Hの形になっている

というのが理解できないことがあります。

 

イスラエルのDavid Navonという

人が行った実験なのですが、

右脳だけ機能している人は、

Aというアルファベットは

認識できないけど、

大きくHと書かれているというのは

なんとなくぼやぁ~って

分かるようです。

 

逆に、右脳が機能していない場合は、

Aというのがたくさん並んでいるのは

わかるのですが、

それが、全体としてHの形になっている

というのは、わからないんです。

 

たぶん、この記事を読んでいる

ほとんどの人は、

Aがたくさんあって、

Hの形になっている

そして、色はピンクだ

というのがわかったと思います。

 

少なくとも説明を受ければ

あぁ~たしかに

となると思います。

 

ということは、

どういうことか?

 

ほとんどの人間は、

右脳と左脳を同時に使っている

ということがわかります。

 

脳の瞬発力によって

理解するまでの時間は

個人差があると思いますが、

言われてみれば、

あぁ~ってなるのだから

右脳も左脳もきちんと

機能しているわけです。

 

こういった数々の実験によって

右利き、左利きといった

人間の利き手のようなものは

脳には存在しないと

言われています。

 

実際、存在しないとはいえ、

この右脳型、左脳型を

良い意味で使う分には

ありだと思います。

 

でも、

左脳型だと、

過去にばかりとらわれるとか

理屈が先行しがちと

ネガティブに使うのは

ちょっと違いますね~

 

どちらのタイプも

必要な個性です。

自分とは違う個性を

否定する材料に

脳科学風を装って、

嘘情報で広めるのは

やめてほしいなぁ

って思いますね~