近年、女性の社会進出が一般的になったことで
名字が変わることで不利益がある
女性が増えた影響で、
結婚後も旧姓のままでいたいという
声が徐々に増えてきています。
夫婦別姓に関連する記事を見ると
女性だけ名字が変わるのは
事務手続きも大変だし面倒
旧姓で仕事することも可能だが、
飛行機のチケットやパスポートの問題があり
自分が自分である証明がしづらい
アイデンティティを奪われる
といった意見があるようです。
国家資格や免許証の問題を考えると
会社を休んで数日がかりになる上に、
更新する順番を間違えると
身分証明書が使えなくなり
そもそも更新が難しくなる
というのはかなり面倒だと思います。
そんな夫婦別姓問題について
考えてみたいと思います。
夫婦別姓にしたい人は14%程度?
まずそもそもの問題ですが、
夫婦別姓にしたい人が
どれくらいいるのか
ここを調査しないと
そうするべきなのかどうかが
判断しづらいと思います。
2020年12月にLINEリサーチさんが
17718人に調査したところ
・夫婦別姓にしたい人:14%
・どちらともいえない:44%
・別姓にしたくない :42%
となっています。
どちらともいえないというのは
結婚してみないことには
相手だけではなく、
家族や相手の家柄にもよるので
現時点で判断がつかない
という人は多いでしょう。
積極的に別姓にしたいという人は
14%ほどなので、
実は少数派の意見というのがわかります。
日本の婚姻数は
年間60万件ほどです。
悩んでいる女性の数は
14%なので
84000人ほどが悩んでいる
ということになります。
(4%は妻の姓にしているのでそれ以下の可能性あり)
名字が変わらなければ
再婚がしやすいので、
婚姻数が増えるという意見もあります。
新規の婚姻数だけを増やしたいなら
問題ありませんが、
名字が変わらないことが
離婚のしやすさにもつながるので、
長期的に見て夫婦の数が増えるのか
というのは別問題だと思います。
仲が良いときは同姓でも良い?
夫婦別姓のほうがよい
と考えている女性たちに
実際に話を聞いてみると、
離婚した時が面倒くさいという
話がほとんどでした。
手続きの面倒でいえば、
結婚したときも同じな気がしますが、
このときはあまり悪い気が
していない人が多いようです。
夫と同じ名字になれることが
嬉しいという気持ちが
当時はあったことで、
煩雑な手続きも至福の雑用
と感じるようですね。
仲が悪くなってくると
嫌な相手の名字ですから
それは嫌にもなりますよね。
なので離婚時のほうが
自然と面倒に感じる人が多いわけです。
都道府県別離婚率
日本では3組に1組は離婚する時代です。
これも都道府県によって
数字が大きく異なりまして
少し意外なのが地方のほうが
離婚しやすいんですよね。
東洋経済オンラインによると
都道府県の離婚率ランキングは
1位:高知県46.15%
2位:沖縄県45.87%
3位:和歌山県44.54%
4位:宮崎県43.82%
5位:北海道43.51%
4割超えの県は14県ありまして6位以下はこちらです。
青森、岩手、愛媛、秋田、山口、徳島、大分、福島、鹿児島
都市部は離婚率が低く、
地方の離婚率が高い
というのが特徴的です。
全国平均の35.52%以下の都道府県は
宮城、京都、長野、島根、神奈川、福井、新潟、愛知、滋賀、富山、石川、東京です。
東京が一番離婚率が低いのです。
僕が住んでいる神奈川も40位とかなり低めですね。
3組に1組が離婚しているので
離婚大国に見えますが、
世界と比較するとこれでも少ないほうなのです。
それが夫婦同姓のおかげなのかは
わかりませんが、
離婚率は世界と比較しても低めです。
女性の労働比率が高い国ほど
離婚率が高くなる傾向があります。
これから女性が活躍できる社会を作りましょう
というのを目標にしている
日本政府からすれば、
女性の社会進出を活発化させれば
離婚も増えるので、
名字がコロコロかわるのは
よくないというのは納得なお話です。
現時点での日本においては、
そこまで必要性がないかもしれませんが、
これからの日本を考えると
選択的夫婦別姓はあるべきだと思います。
夫婦別姓にしなければいけない
という話ならまたかわってきますが、
どちらでもいいよ
選べますよというのは
取り入れる時期が来ていると思います。
韓国みたいに完全に別姓にしてしまうと
これは問題だと思います。
別姓でもうまくいってるモデルとして
中国や韓国の話題が出ますが、
なにをもってうまくいっているか
というお話です。
出生率が0.84の韓国を見て
うまくいっているモデルとして
参考にするのは違うでしょう。
日本も低い低いと言われていますが、
出生率1.43ですので、
実はよくはないけどマシな状況です。
全員が別姓にしてしまうと
今回話題に出さなかった
問題がいろいろ出てきます。
例えば、
結婚前の親族とのやり取りが
とっても面倒になるでしょう。
両親に結婚の挨拶をしにいったときに
子供の名字はどうするのかね?
という話に確実になります。
1人目の子供は夫の姓にして
2人目の子供は妻の姓にする
という約束をしたとして、
実際に2人産めなかったときや、
男の子なのか、女の子なのかで
いろいろ話が変わってくるでしょう。
結婚は本人たちだけの問題ではないので、
ここがかなり揉めると思います。
離婚後の親権についても
これを機に見直さないと
いけないのではないでしょうか
よほどのことがない限り
母親に親権が行くことが多いのは
かなり不公平な制度です。
相続、介護の問題についても
なんとなく名字が一緒なら
安心感がありますが、
名前が違くても見てくれるだろうか
という不安もついてまわるでしょう。
兄弟で名字が違う孫に
祖父母が平等に接するのか
という問題もあります。
それは今でも母方の祖父母は
そうなるでしょうって
思う方もいると思いますが、
兄弟間で名字が違うということが
起きたときに今の日本人が
どう接するのかを考えると
あまりポジティブな考えが
出てこないですね。
世界の人々と日本人は
感覚がだいぶ違いますからね。
良くも悪くも日本人は特殊な民族性です。
別姓肯定派の人は
世界では名字が違くても問題が起きていない
ということをよく言いますが、
欧米の人達からすれば、
同姓にしておけばいいのにって
声もたくさんあるんですよ。
一部の声が大きい人の意見だけを拾って
みんながそういってるというのは
誤解を招きやすいです。
選択的夫婦別姓の権利がある
国がほとんどなのに、
欧米では同姓にする人が多いのか?
完全に別姓にしてみた結果どうなったのか?
現在の韓国や旧ソ連のなど
ここから学ぶことはあると思います。
(プラスに働いている部分がみつけにくい)
なんとなく手間だから別姓にしよう
と安易に考える話ではないと思います。
日本もかつては夫婦別姓でした
明治9年3月17日太政官指令で
妻は実家の姓を名乗るようにとしましたが
従わない人が多かったため、
明治31年に夫婦同氏制になりました。
それから123年経った今、
どうするべきなのか考えるときが
やってきたと思います。
古いもの=悪いもの
というわけではないので、
良い部分があるから
123年も変わらずにきたのでしょう。
僕自身、家族と名字が違う環境で
育ってきたので、
できれば一緒のほうが楽でいいなと
思ったことはたくさんあります。
日常的に困ることは少ないですが、
要所要所で面倒でしたよ。
変な目で見られますしね。
なので、
個人的には思うのは、
基本的には夫婦は同姓にして
旧姓も併記できるようにする
というのが良いと思っています。
どうしてもという方たちのみ
別姓にしてもいいとは思いますが、
国民全員がそうなる必要性は
あまりないでしょう。
そういえば、
旧姓という言葉を英語にすると
maiden name(乙女の名前)
なんですよね。
birth nameという言葉もありますが、
一般的にはmaiden nameです。
男性の旧姓という表現がないことからも
英語圏では夫の姓にするのが
一般的というのが分かる例ですね。
これを男尊女卑と思うか
総合的に見てそのほうが良いことが多いのか
考えなければいけないことは多そうですね。