今も昔も、躾という名目で虐待が
様々な家庭で行われていますが、
さすがに、これ以上放置はできないと
国もやっと重い腰を上げ、
児童虐待防止法と改正児童福祉法を
改正することが、
参議院本会議で全会一致で可決されました。
今回の法改正の一番のポイントは
親権者が躾をする際に体罰を加えることを禁止
というところです。
しかし、
今回法改正では、
虐待する抜け道はまだまだありそうな感じです。
たとえば、
第820条(監護及び教育の権利義務)
親権を行う者は、
子の利益のために子の監護及び教育をする
権利を有し、義務を負う。
この民法820条の
この利益のためにという文言です。
ここだけ見れば、
暴力が子供の利益になるわけがないのだから
虐待は許されないとなりそうですが、
第822条(懲戒)
親権を行う者は、
第820条の規定による監護及び教育に
必要な範囲内でその子を懲戒することができる。
つまり、親から見て
この子にとって利益があると
判断している場合は、
懲戒することができるわけです。
ちなみに懲戒権というのは
なかなか厳しい内容です。
懲戒のためには、
しても大丈夫な内容は
「叱る、殴る、ヒネる、縛る、
押し入れに入れる、蔵に入れる
ご飯を与えない(禁食)」
これが必要な場合はしてもOKだと
なにをもって虐待なのかが
さっぱりわからなくなります。
この懲戒権が
削除されたわけではなく、
施工後2年をめどに
見直しを検討しているそうです
ということは、
早くても2022年までは、
ひどい虐待を行われていても
これは躾だということで
済まされてしまう可能性が高いです。
相談しても何も動いてくれない?
虐待について相談しても
基本的になにも動いてくれない
と勘違いしている人が
たくさんいることが
一つ問題になっています。
えっ実際、
相談しても問題なしとして
動いてくれなかったじゃないか?
と思われていますが、
実際、何も動かないどころか
余計に虐待されるような
対応をしていたんです。
女児が
「お父さんに暴力を受けている」
と訴えたら
教育委員会は
父親に文章が書いたコピーを
渡していました。
子供が訴えたことを
加害者に報告していたわけです。
その後、どうなったかは
ニュースなどでも知っての通り、
この女児は亡くなってしまいました。
教育委員会、
児童相談所の職員たちは
職員が慢性的に不足している。
予算も足りないと
グチグチいっているようですが、
対応が遅れたことが
問題だったわけではないんですよね。
子供相手だと思って、
守秘義務を守らなかった
ただそれだけです。
職員が足りないから
コピーが渡されたわけではありません。
職員が自分の保身ために、
親にコピーを渡したわけですからね。
法律が変わったからといって
虐待がなくなるわけではないです
そして、もっと問題なのが
体罰を容認する人がとても多い
ということです。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが
2017年に2万にアンケートした結果によると
躾のために体罰が必要だ!
と考える人が6割も居たそうです。
半数以上の人が
体罰が必要だと思っているのだから
これはなかなか虐待は
無くなりそうにないですね。
法律や組織、相談所に
文句を言う前に
日本人の国民の意識を
変えていかないと
虐待は決してなくなりません。
60%の人が
体罰が必要と思っているなんて
かなり異常な国民性ですよ。
また違った角度から
体罰の必要性について考えてみると
子供がいじめの加害者になったときに
親は子供を引っ叩いてはいけないのか?
という議論も出てきます。
虐待、暴力、体罰、躾、教育
そのさじ加減はとても難しく
どの家庭でもこうすれば良いという
正解がないのがとても厄介なので、
たくさんの議論が必要だと思います。
なんでもかんでも禁止、禁止ってしても
どうせ見えないところでやるんですよね
もっと厄介なのが
バレたらものすごく罪が重いとなると
虐待した親は、
ばれないように
さらにひどい虐待や口止めを
する可能性もでてきます
家庭の中のことだから、
ほんと何が行われるのか
被害者がたくさん出るまで
わからないのが怖いところです。
とはいえ・・・
やっと一歩前進したのは
喜ばしいことです。
あとは国民の意識が
どこまで追いつくか
という部分でしょうね。
児童相談所に限らず、
周囲の大人がもっと
周りにいる子どもたちが
ひどい目にあっていないか
見てあげるべきだと思いますよ