ヨーロッパで普及しつつある栄養スコアの問題点

食品の栄養成分の健康度を示す

栄養スコア(Nutri-Score)は

パッと見てわかりやすいということから

フランスをはじめ、

ドイル、ベルギー、スイス、スペイン、オランダでも

採用され徐々にヨーロッパ内で広まっています。

 

食品世界大手のネスレも

最初は採用することに否定的でしたが、

採用することにしました。

 

栄養スコア(NUTRI-SCORE)

食品に含まれる

カロリー、塩分、砂糖、脂肪分などを

点数化して評価し、

Aから

Eまでの

5色で健康度を示す栄養度評価ラベルです。

Aランクであれば健康的なもので、

B,C,D,Eと評価が下がると、

不健康な食べ物や飲み物

ということがひと目でわかります。

 

栄養学の知識がなくても

ラベルを見ることで、

どれが健康的なものか

すぐに分かるので、

消費者にとって大きな助けになる

と期待されています。

栄養スコアの問題点

すごく便利なように見える

栄養スコアですが、

いくつか問題点があります。

 

添加物の評価がされていない

基本的な評価項目が

カロリー、塩分、砂糖、脂肪分なため、

砂糖を入れない代わりに、

人工甘味料や添加物を多く入れて、

作った商品のスコアが

高くなってしまうという

問題点があります。

 

どういうことか?

といいますと

わかりやすいのが

カロリーゼロコーラです。

 

ダイエットコーラは

砂糖を使っておらず、

カロリーも0に近いものです。

 

この場合、栄養スコア的には

水よりちょっと悪いものという

判定になるため、

栄養スコアランク『B』

分類されます。

 

人工甘味料や添加物を

できるだけ摂りたくない

という人も少なくないでしょう。

 

栄養スコア『B』と

書かれていれば、

あっこの飲み物は健康に良いんだ

って誤解してしまうかもしれません。

 

ダイエットコーラが

健康に良いか悪いかは

今回議論しませんが、

問題なのは、砂糖をいれなければ

健康に良いという判断です。

 

むしろある程度砂糖が入っていて、

栄養スコア的には『D』や『E』に

なってしまっているもののほうが、

添加物は殆ど入っておらず、

健康に良いものもあるかもしれません。

 

そういった問題点がある中、

この栄養スコアが一般化され、

日本でも採用されたら

聞いたことがないような

謎の成分を入れて、

ランクアップを狙う製品が

たくさん増えるような気がします。

 

食べ物とは違いますが、

無添加化粧品がそんな感じですしね。

 

食べる時の調理法が考慮されていない

カロリー、塩分、砂糖、脂肪分等で

評価をしているため、

実際に食べる時の調理法が

考慮されていない場合があります。

 

例えば、

冷凍食品のフライドポテトがそうです。

 

商品として並んでいるときは、

凍っている芋なため、

栄養スコアは『A』ランクす。

 

しかし、

フライドポテト用の芋なので、

その後、油で揚げて、

塩をかけて食べるのが

一般的でしょう。

 

そうすると、

塩分と油分が増えるので、

これは『A』ランクなのか?

という問題が出てきます。

 

調理法によって、

油の質、塩の量が違ってきます。

 

濃い味が好きな人は

塩をたっぷりかけて食べるでしょう。

でも栄養スコアAランクだし

別に健康にはまったく問題ないよね?

って勘違いしてしまう人が

出てくると思います。

 

あくまで材料の芋が

栄養スコア『A』ランクなのであって

調理してしまったら違うよ

ってなってくると、

結局この『A』とか『B』とかって

なんなんだ?って感じになるでしょう。

 

Aランクのものだけ食べていれば

健康になれるというわけでもないですし、

もう少しランク分けの基準を

しっかりと練らないと、

逆に不健康になる人も

増えてしまう危険性が

あるように思えます。

 

まだ慎重に考えなければ

いけない段階だと思います。

見切り発車してもしょうがないですからね。

 

AとBランクのものだけを食べ続けたら

どうなったのか?という

データが出揃ってからでも

ぜんぜん遅くないと思いますよ。

 

はたしてこの栄養スコアは

本当に有用なのか?

今後が楽しみですね。